微細構造定数とそれぞれの力の結合定数の関係はどうなっているのか?

物理のTip

素粒子物理学の勉強をしていると、微細構造定数というものが出てくる。また、結合定数というものが出てくる。名前は違うものの似ている感じがするのだが、実際どうなのか調べてみた。

微細構造定数 α(fine-structure constant)は、電磁気力の強さを表す無次元の普遍定数である。水素原子のエネルギー準位は、非相対論的には主量子数 n のみで決まるが、相対論的効果を取り入れると同じ n をもつ状態がわずかに分裂する(微細構造)。この分裂の大きさを決めるのが αであり、α=e²/(4π ε₀ ℏ c) で与えられ、その値は約 1/137.036 である。

結合定数とは、強い力・電磁気力・弱い力・重力という自然界の基本的な力の強さを表す量であり、電磁気力の場合が微細構造定数 α に対応する。ただし量子場理論では、真空は粒子と反粒子が絶えず生成・消滅する状態にある(真空分極)。その影響により、結合定数は固定された値ではなく、観測するエネルギー(運動量スケール)に依存して変化する。

このエネルギー依存性は「くりこみ群によるランニング」(??)と呼ばれる。電磁気力の結合定数は高エネルギーでわずかに増大し、強い力の結合定数は逆に小さくなる(漸近的自由)。弱い力も同様に変化する。これら三つの相互作用は 標準模型(Standard Model) によって記述され、結合定数の変化は理論的に計算できる。

標準模型では、三つの結合定数は約10¹⁵〜10¹⁶GeV付近で互いに近づくが、完全には一致しない。そこで、超対称性を含む大統一理論が提案されている。超対称性を導入するとランニング(エネルギーによる値のシフト)の仕方が変わり、三つの力が高エネルギーでほぼ一点に統一される可能性が示される。一方、重力は 一般相対性理論 によって古典的に記述されるが、量子論との統一は未完成である。

標準模型での三つの結合定数
alpha1 (U(1)):
電磁相互作用に関連するハイパーチャージの結合定数。エネルギーが高くなるにつれて弱くなる(逆数は減少)。
alpha2 (SU(2)):
弱相互作用の結合定数。エネルギーが高くなるにつれて緩やかに弱くなる。
alpha3 (SU(3)):
強い相互作用の結合定数。エネルギーが高くなるにつれて強くなる(逆数は増加)。

最小超対称標準模型(Minimal Supersymmetric Standard Model [MSSM] )での三つの結合定数

電磁気力の結合定数が微細構造定数と等価だったのですね。
結合定数のこの辺の話を詳細に知るためには、場の量子論を勉強しないとわからない様子。
いつ「わかった!」と言えるようになるだろうか・・・。

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